ミキブログ

27歳男性の雑記ブログ

リーバイス501、1933年モデルがかっこいい理由を歴史も含め解説【LVC】【世界恐慌】【ルーズベルト大統領】

今回はレプリカデニムではありますが

リーバイスから出ている復刻ラインLEVI'S VINTAGE CLOTHINGの

501、1933年モデルについて記事にしていきたいと思います。

 

この記事を読むことによってあなたは

・LVCの501、1933年モデルの魅力を理解することができる

・あなたがもし購入検討中なら今すぐ買うべき理由がわかる

 

ちなみに筆者のミキは20歳の時(2012年)に当モデルを1本買い

2018年に同じモデルをもう1本追加で購入したくらい

この501の1933モデルが好きです。

 

違う個体ではあるものの7年間同じモデルを履いたくらいなので

その魅力については多少の信憑性もあるかと思います。

 

どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

当時20歳だった私がこのモデルを購入した理由

 

結論から述べさせていただきます。

 

それは当時の歴史的背景を想像したら

その1933年モデルが非常に格好よく見えてしまったからです。

 

2012年ですね、初めて買ったのはリーバイス

路面店で見つけて購入しました。

 

当時私はイギリスのアパレルブランドで働いていて

そのブランドイメージに合うものを探していました。

 

私がイメージしていたのは細身のストレートか

いわゆるスキニーと呼ばれるようなタイトなものが

仕事でも着用できていいのではないかと考え探していました。

 

結果的に購入したのは501の1933年モデル。

お世辞にも細身やスキニーなんて呼べるような

モデルではありません。

 

しかしそんな事はどうでもよくなってしまうくらいに

この1本に見せられてしまって

少し気持ち悪いですが、恋のような

何とも言えない気持ちになってしまいました(笑)

 

 

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活字にすると変態的な響きですが当時の私は

冗談抜きで試着してすぐにこれしかないと思い購入しました。

 

その後はほぼ毎日と言っていいくらい履いていました。

 

さて話を戻しますと、購入に至ったきっかけが

歴史的背景に絡んでいると説明しましたので

その点について解説していきたいと思います。

 

1933年は世界恐慌真っ只中

 

読者のあなたも学校で勉強したことあるかと思います。

 

このレプリカの元のモデルが販売された時は

世界恐慌と呼ばれる世界的な経済恐慌の真っ只中でした。

 

簡単にわかる世界恐慌の概要

 

第一次世界大戦当時、工業製品や農作物をアメリカで生産し輸出をしていました。

当然ながら戦争が終わった直後のヨーロッパは

疲弊していたためそのままアメリカでの製造に依存し

アメリカのみならずヨーロッパの投資家もアメリカ企業の

株を買い1920年代のアメリカは非常に好景気を迎えました。

 

しかし戦争の傷から徐々に癒えはじめていたヨーロッパ各国で

アメリカで製造されていたものが売れなくなりはじめた事と

国内の低所得層からの購買が厳しかった事

さらにはアメリカの過剰な生産力で、製造物の

ストックを抱える事となってしまった事が重なり

アメリカの経済は一気に転落しました。

 

それが1929年10月24日、いわゆる暗黒の木曜日と呼ばれる日です。

 

当時のアメリカ国民はこの事実に不安を抱き皆一様に

銀行預金を引き出し、銀行が倒産、銀行から融資を受けていた企業も倒産

さらには企業の下請け工場も倒産するなど最悪な状況になりました。

 

当時のアメリカの失業率は25%と非常に苦しい状況でした。

ちなみにイメージしにくいかと思うので解説しますが

2018年の日本の平均失業率は2.4%なので約10倍。

 

労働人口の割合の25%働けていなかったと言うのは恐ろしい状況ですね。

 

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フランクリン・ルーズベルト大統領の就任

 

みなさんもご存知のフランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領が

アメリカ大統領に就任したのも同じく1933年でした。

 

重ねてですが当時のアメリカは不況の真っ只中でした。

 

そこで就任直後のルーズベルト大統領は当時のアメリカの

自由な市場から一変、政府が市場に関与するような

動きを見せるのです。

 

これが世にいう『ニューディール政策』と呼ばれる物です。

 

ニューデール政策の柱に3つのRを掲げて動き出します。

 

・Relief

・Reconstruction

・Reform

 

これらのRで示す物として救済、復興、改革を意味しますが

具体的に行われていた内容の中で最重要法律として

National Industrial Recover Act(通称NIRAがあります。

 

これは完結にまとめると

労働者の労働条件(最低賃金確保など)を見直し

労働者支援を行うことで国内購買率をあげ

さらには企業を政府の監視下に置き

生産量のコントロールをするような施策です。

 

そしてそれらの施行を管轄していたのが行政機関が

全国復興庁、NRAと呼ばれる行政機関でした。

 

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Wikipediaより引用

これが当時のNIRAのロゴです。

 

ルーズベルト大統領のメガネの豆知識

 

ちなみに話は少しそれますが

ルーズベルト大統領は当時、非常におしゃれであった事でも有名でした。

 

時かけられていたメガネが話題となり

アメリカのアイウェアブランド、Tart opticalが

彼の名前の頭文字を冠してメガネを作りました。

 

それが今現在、ヴィンテージ市場でも枯渇している

Tart opticalのFDRというモデルです。

 

今現在、当時のTart opticalは無くなってしまっていますが

創業者の甥、リチャード・タート氏が当時のファクトリーやマーケティング

関与していた背景も持っていたためその意思を継ぐため

リチャード・タート氏らが2016年に旗揚げしたブランド

JULIUS TART OPTICALからこちらも復刻版が出ています。

 

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JULIUS TART OPTICAL公式オンラインストアより引用

 

 

存在感のあるメガネですね。

この肉厚でこってりしたような印象は

クセがないと言えばウソですが間違いなく

かければ日常的に、他の1本がかけれなくなるような

ハマってしまうような1本です。

  

リーバイスと行政のつながり

 

話が歴史から少し戻りますが当時政府が企業を

監視下に置き生産量のコントロールをする事で

在庫のロスカットすると説明しました。

 

もちろん、リーバイスも監視下に置かれた企業の1つでした。

そして当然ながら政府の指示のもと生産を行っていたわけです。

 

そしてその規則にしっかりと従った印として

1933年モデルには以下のような白い

布地のラベルがつけられたのです。

 

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私物でウォッシュがかかっているため

インディゴの色移りもあり白ではありませんが(笑)

 

ラベルの左上に分かりにくいかと思うのですが

鷲のロゴが記されています。

 

これが先ほど画像を貼ったNIRAのロゴの鷲なんです。

 

重ねてですが政府の規則に従ったがゆえに

このロゴの使用許可が政府から下りたんです。

 

細やかなディテールではありますがこう言った

小さな再現もしっかりと行われているのは

復刻版といえどグッときます。

 

 徐々に数が減る当時と同じアメリカ製

 

先ほど小さな再現がグッとくるとお話した事と

似ているのですが、昔リーバイスの生地の作成を

行っていたのはアメリカに構えるコーンミルズ社の

ホワイト・オーク工場で作られていました。

 

ここがポイントなのですが

この記事で紹介している501も1933年モデルの

レプリカは昔から提携を組んでいるアメリカの

ホワイト・オーク製です。

 

そしてもう1つ重要な事として

ホワイト・オーク工場は2017年を持って生産を停止しているのです。

 

つまりどういうことかと言いますと

今現在流通しているアメリカ製の501が全て売り切れたら

ホワイト・オーク製の、アメリカ製の

501が入手困難になるということなんです。

 

重要なことなのでもう一度書きます。

 

今現在流通しているアメリカ製の501が

全て売り切れたら

ホワイト・オーク製の、アメリカ製の

501が入手困難になるということなんです。

 

アメリカ製のデニムが全てだとは言いませんし

他の国で作られているデニムが悪いとかそう言った意味ではありません。

 

しかし、私は声を大にして言いたいです。

 

100年以上、パートナーシップを組んでいた

ホワイト・オーク工場で作られていた背景に対して

末端の末端で大した金額を払ったわけではありませんが

ホワイト・オーク工場に対して私は敬意を払いたいですし

リーバイスの歴史の一端を担っていた工場が

作った製品にその商品としての価格以上の価値があるのは間違いないです、と。

 

この記事を読んでいただいたあなたはもう

この501、1933年モデルの魅力はご理解いただけたかと思います。

 

この1本を買って、長い事履いて

デニムの事だけではなくファッションの事を

好きになっていただけたら私は幸いです。

 

本日もご覧いただき誠にありがとうございました。